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木の芽月舍の運営者によるブログ

春雨初稽古

朝から雨の一日
結構な降りになりました

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稽古場に着いたら、暖簾が出ておらず静まりかえっている
三つある防音室には誰もいない
受付にY氏ひとり・・・
今日はたまたま長唄も津軽も稽古はお休み
端唄もお休みの人が多くて、先生も私の時間に合わせて遅番出勤
貸し切り状態
私の後は夕方まで空いてしまうそうで、先生も気の毒
間が空かなくて済むように、時間をずらしてもいいかも

本日の稽古
「春雨」本手
端唄の定番中の定番
チ、チ、チン、トン、チャン・・・のチ、チは9、10の高い音
これは鶯の「ケキョ」を表している
すると前の音がホーホ、かというとそうでもない
「今日はぜんぜん音出ないなー」
湿気で三味線の音が響かない模様・・・私にはよく分からない
音を合わせてから、サワリをつけます
サワリというのは、三味線の一の糸(一番太い糸)に金属の小さな片を押しつけて、
ビィーーーーーン、という響きをつけるものです
糸巻きが付いている天神の裏に小さなネジがついていて、金属片の高さを調節出来るようになっています

・サワリの付け方
サワリをつけるときはバチではなく、手で軽く下に落とすように弾き、
いったん左に回し、サワリを消した状態から音が消えないうちに、時計回りにサワリのネジを回す
うまくいくと、
ビィーーーン、イィーーーン、イィーーーン、イーーーン
となります
でもこれは、簡単にできるものではない
サワリの出方によって、上手い下手が決まってしまうようなものだそうです
演奏する前の、腕の見せ所
レコーディングでは、二度と音を直すことは出来ない
サワリは残ってしまうので、演奏する前から戦いが始まっているらしい
一の糸は、太くて切れるものではないので滅多に交換しないが、
長く弾いているとサワリを当てるポイントだけがすり減ってしまうので、
そうなるとサワリがつかなくなってしまうので、プロは少なくとも一年に一回、
また、本番などの前には一の糸を交換するらしい

春雨は、それほど込み入った曲ではないが、弾き始めると、ところどころに難しい箇所がある
覚えにくい音のところがある
出しにくい音のところがある
全体的に長い曲なので、フレーズでまとまりのある弾き方ができるよう、
先生にどこで区切るか書き込んでもらいました
大体、唄に合わせて一区切りになります
この区間なら、いかように唄ってもOKみたいなファジーな世界
弾きにくいところは、こうやって弾くと良い、といやり方を教えて貰ったが、
それを意識して弾こうとすると帰って間違えそう

弾きにくい箇所
後奏で一カ所弾きにくいところは、こかしバチ(ころがしバチの略)にする
こかしバチとは、音を続けて押して押さえるやり方
・こかしバチ 後から押す音の方が軽い
・押しバチ 後から押す音の方が強い

とにかく要練習です!

後半は先生が替手を合わせます
替手はコロコロ、チリチリと早い手が入るのでビックリ
交互に弾くやりとりが出てくる
こりゃ息の合った演奏でないとダメだ・・・
私はまだ本手もロクに出来ないので要練習
「替手もやるからね!」と、先生は大張り切り
やはり、定番の端唄だから先生はこういう曲が好きなんだな・・・

今日は他に誰もいないので、稽古が終わったあと少しいろいろ教えて貰いました
「梅雨時に入ったので、使用した三味線の棹と皮は艶布巾で拭いて下さい」という貼り紙
汗を放置しておくと、水分が竿に染みこんでしまうのだそうだ
そうすると木にはあまりよろしくない
皮を拭く、というのは特に胴の裏側、そっと撫でるように拭けば良いらしい

先生がいつも稽古で使っている三味線は、とても材質が固い
紅木のなかでも特別固いスーパー特別仕様の短竿
色も真っ黒でとても重いのが証拠
持たせてもらったら、短竿の三味線なのに「うひゃー」というくらい重い
固い三味線は水分が染みこまず、表面に付着したまま湿ってしまうのでよく拭いた方がいいのだ

短竿は、通常の三味線より10cmくらい短く高い音が良く出るそうです
女の人は歌う声も高いので、短竿が都合がいいらしい
短竿は勘所の間隔が短くて済むから弾きやすそう

それにしても、いろいろと奥が深いものだ

それにしても、先生は「唄はやらないの?」と聞くもんだ・・・

帰りは土砂降り
金華坂は川になっていました
明大の広場は、水はけが悪くて海になってました



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